症状から病気を診断していく


わたしたち人間と同様、動物たちにもたくさんの種類の病気があります。そして中には似たような症状をおこす病気がいくつかあります。たとえば呼吸器病も心臓病も咳をおこします。しかしこの2つの病気は治療方法がまったくちがいます。従いましてこれらの病気の鑑別、診断が非常に大事ということになります。

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咳を起こす病気

喉の炎症や気管支炎、肺炎など呼吸器系の病気は、咳を起こす代表的な病気です。

咳を起こす他の病気に心臓病があります。心臓の機能が低下すると、肺や気管に負担がかかるようになり、咳を発症するのです。

従いまして咳で来院された場合は聴診を念入りに行い、呼吸器病なのか心臓病なのか慎重に鑑別をします。このときにレントゲン撮影がとても役に立ちます。

嘔吐を起こす病気

もっとも多いのは胃や腸の病気です。その中には胃腸炎、消化管の運動性の異常、消化管内異物による消化管閉塞などがあります。

その他には内蔵の病気である膵炎、腎臓病、胆嚢や肝臓の病気があげられます。避妊手術をうけられていないメス犬の場合は子宮の病気で嘔吐を起こすこともあります。消化管の病気か、内臓の病気かを区別するには血液検査、エコー検査がとても役に立ちます。

下痢を起こす病気

整腸剤で治ってしまうような小腸炎や大腸炎がもっとも多いです。

子犬、子猫であればコクシジウム症、ジアルジア症に代表される寄生虫病が多くみられます。

その他、内臓の病気である膵炎、膵外分泌不全や消化管の病気である炎症性腸疾患、腎臓病でも下痢を起こすことがあります。避妊手術をうけていないメス犬では子宮の病気で下痢を起こすこともあります。

一般的な整腸剤で治らない場合はこれらの病気の検査をお勧めすることがあります。